INOUEKABUKI SHOCHIKU-MIX 「蛮幽鬼」
2009年11月9日〜26日 梅田芸術劇場メインホール
作:中島かずき 演出:いのうえひでのり
出演:上川隆也 堺雅人 稲森いずみ 早乙女太一 山内圭哉 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと 山本亨 千葉哲也 他
モンテクリスト伯をモチーフにした復讐劇。無実の罪で監獄島に幽閉された主人公伊達土門(だてのどもん:上川)が、サジと名乗る男(堺)の協力を得、自分を陥れた人たちや裏切った恋人に復習しようとする。復讐が進むにつれて証される真相・・・サジとは・・・? 復讐しても満たされぬ心に、漸く復讐の心こそが監獄で、ずっとそこに繋がれたままだった事を知る土門だった。
と、まぁ、土門を中心に説明するとこんな内容なんですが・・・さて今回のこの作品、本当の主人公って誰なんでしょう?
サジはおいしい役です。もう公演が終わってしまったから書いてしまいますが、ローランの悪魔と呼ばれるような、自分を裏切った一族をことごとく殺してしまったような男で、土門の友人を殺した本当の犯人。土門を使って国同士の戦いを企てようとするような、人を殺す事にしか興味が無いと言うような男。それも意味不明な笑いを浮かべながら殺すと言うんだから堺さんにぴったり。(^^; 怖いですよ、笑いながらかかってこられちゃ。
実は私は、サジ中心の話を知りたくなっちゃったんですよ。なぜローラン族は人殺し集団になってしまったのか?一族かかって殺そうとするほど恐ろしい人物サジの生い立ちとか、国同士戦わせてどこへ行き着きたいのか。こっちを主人公にした話の方が面白く出来そう・・・。
今まで新感線の舞台を生で観たのはSHIROHのみ。しかしゲキ×シネで何作品かは見ています。登場人物の多くが死んでしまうと言うイメージが私には植え付けられていて、この作品もそう。作者が同じですから選ぶ話も進行方向も似てくるような・・・。で、比較と言う事でもないのですが、今回ホン&演出が良くないと思ってるんです。最後になって土門に「調部(しらべ)を殺したのはお前(サジ)か?」と聞く辺り、「今までわからんのか〜!」って突っ込みを入れたくなりました。その後で「始めから」みたいな事を言われても説得力無いし、それならサジを疑いつつ・・・の演出をと思うのです。土門が死ぬ直前まで馬鹿に見えて。(泣)
第一幕は特に所々「学校演劇ですか?」って、わざとらしいワンパターンなホンや演出や演技に、こちらも突っ込みを入れたい所がありました。
・・・・・・土門さま・・・・(暗転)・・・・(ーー;
美古都(みこと)役の稲森さんは第二幕から舞台女優さんに変身します。もっと表面的な美しさだけの人かと思っていたのですが間違いでした。
それで、本当の主人公ですが・・・第一幕はほとんど出ないけど、第二幕はこの美古都でもあると思っていると言うか、この人の方がメインで土門はサブじゃないかと思ったりもするんです。だから話がブレテて良くないようにも思う。美古都がメインになりそうなのを主人公土門に無理矢理持っていこうとして。
蛮幽鬼では3種類の殺陣を見る事が出来ます。1つは早乙女太一くんの、踊りの一部と言って良いような流れるような美しい殺陣。2つ目はこちらも流れるような殺陣ではありますが、太一くんほど踊りのようではない堺さんの柔らかめの殺陣。そしてもう1つは、上川さんのキャラメルボックス仕込みのたぶん一番実践に近い、腰を落としたごつごつした動きの、見た目一番綺麗じゃない殺陣。この三種の見比べは楽しかったです。
上川さんは・・・ばっちい衣装・暗い衣装・似合わない頭です。役が役だからしょうがないけど、つまらない。で、なぜか、本人一番嫌がったんではないかと思われる歌があります。(苦笑)
それと、いくらなんでもあれだけ切られて戦っていられるのか? 痛みを感じないのとは別だと思うんですけど・・・。>これは作者か演出家に言う事だけど。
それと外の舞台に出られる事が多くなった橋本じゅんさん、声がとても良くなっていて笑いの間も私の嫌いな感じではなくなっていました。
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